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愛知県議会傍聴における視覚障害者の 白杖の取り扱いに関する要請書

2015年2月27日

愛知県議会議長三浦孝司様

障害者の自立と政治参加を求めるネットワーク

代表傳田ひろみ(さいたま市議)

愛知県議会傍聴における視覚障害者の

白杖の取り扱いに関する要請書

日頃より、愛知県政ならびに障害者福祉の向上にご尽力いただきありがとうございます。

私たちは全国の障害ある議員や障害者の政治参加に関心のある議員などでつくるネットワーク

で、障害者の政治参加や政策決定過程へのかかわりをすすめていこうと活動している団体です。

2015年2月20日の中日新聞・東京新聞によると、愛知県議会に傍聴に訪れた視覚障害者の

方に対して、「着席後は折り畳み式のつえはかばんにしまって。かばんに入らないものや、長い直

杖(ちょくじょう)は係員に預けて」と指示された。ということが報道されました。

白杖は、視覚障害者が日常生活を送る上で必要不可欠のものであり、身体の一部といわれる存在

です。それを一時的とはいえ預けることを求めるという事実に驚愕しています。本当にあってはな

らない行為だと思います。

なぜ一時的に預けるのかということの理由に、愛知県議会担当者は、傍聴人規則の存在を理由に

されました。その規則には、「傍聴席に入ることができない者」として「凶器その他危険物と認め

られるものを携帯している者」と規定されていますが、その「凶器その他危険物」に白杖が当たる

というのです。また、本人の了解があったとも説明されました。

今回の貴議会の対応は、白杖を「凶器その他危険物」と認識して対応されており、これは障害者

に対する明らかな差別です。また、本人が了解しているという理由で白杖を本人の手から取り上げ

ることこそが、健常者が障害者の気持ちを考えずに押し付ける差別的な価値観の現れであるのです。

私たちは強い怒りと憤りの感情を持つことを禁じ得ません。

議会は市民・県民の代表が議論する場であり、市民・県民に差別なく開かれた場でなければなり

ません。今回の貴議会の対応は障害者の政治参加を求めて活動するものとして見過ごすことはでき

ません。私たちは、再びこのようなことが起きないように規則の運用を直ちに見直すとともに、関

係規則の改正を求めます。貴議会の対応を明らかにしていただきたいと思います。

障害者差別解消法が来年4 月から施行されようとしています。また、「障害者の差別をなくす条

例」の制定を求める団体・個人が愛知県においても多く存在しています。今回の差別事件は時代の

流れに逆行するものです。貴議会が賢明な判断をなされることを期待するものです。

(連絡先)

障害者の自立と政治参加を求めるネットワーク

事務局長斎藤まこと(名古屋市会議員)

〒4640075 名古屋市千種区内山3-7-11

TEL 052-745-1001 FAX 052-741-2588

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