2016年5月17日
衆議院厚生労働委員会
委員長 渡辺 博道 様
委員御一同様
5月10日の参考人質疑への出席拒否に関する抗議
障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク
代表 さいたま市議会議員 でんだ ひろみ
私たちは全国の障害当事者議員を中心とし、障害者の政治参加をすすめようとする関係者で組織するネットワーク(以下、本会)である。障害当事者の政治参加をすすめることで障害当事者の暮らしが改善されるように活動している。
今回の5月10日の参考人質疑への出席拒否に関しては、委員会の全委員の見識を疑う。報道や個人の発言、SNSへの書き込みでは、政党や議員間の責任の擦り合いを呈しているが、国権の三権分立の一端を担うものとして、恥ずべき行動である。
政治家が法案を審議するにあたり、関係者の生の声が最も重要なことは論を待たない。コミュニケーションに時間を要することが出席拒否の理由との報道、発言もあるようであるが、時間を要する国民の意見は聞かないとの態度は、一部の国民の意見には耳を傾けないとの態度表明であり、委員全員で委員会の存在価値を否定したことになる。
もちろん、今回の障害者総合支援法改正案は、入院中の介護保障等、長年の要望事項が審議され、その中で、最も切実な当事者であるALS患者の方が意見陳述することは、貴委員会にとっても重要なことである。かつ、国連障害者権利条約の批准を受け、4月から施行された障害者差別解消法を全会一致で可決成立したのは衆参両院の議員である。その肝は、国連障害者権利条約が掲げる「他の者との平等」を実現するための①差別の禁止と②合理的配慮の提供である。
今回の出席拒否は、上記の①②を果たさず、法律違反そのものである。法律を通した国会議員が委員会において法律違反を犯すことは本末転倒である。
渡辺委員長はじめ委員各位においては、猛省頂くとともに、今後の委員会運営、国会活動を真摯に熟考いただきたい。
以上、障害当事者議員の立場から、満身の怒りを持って強く抗議する。
なお、同様の文書を報道機関にも送ることを申し添える。
<文書取扱>障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク
事務局員 大牟田市議会議員 古庄 和秀
〒836-0041 福岡県大牟田市新栄町17-47
TEL:090-2517-4005 FAX:0944-85-0028
E-Mail:furusho_net@hotmail.com
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