2014年10月30日
佐賀市長 秀島 敏行 様
身体障害者採用での差別的不採用に関する抗議文
障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク
代表 さいたま市議会議員 でんだ ひろみ
私たちが8月21日に提出した貴市に対する公開質問状を9月12日に受取り内容を確認させていただきました。しかしその回答内容は改善に向けた心意気のない回答になっており非常に残念に思っています。回答の内容を読んでみると、貴市は私たちが訴えた内容、更に言えば、国連障害者権利条約の理念である「障害のある者とない者との平等」という視点に全く立っていただけないということがわかります。どのような言葉でどのような手段でお伝えすれば、今回貴市が犯した差別の核心に気づいて差別のない新たな認識を獲得していただけるかと憤りの気持ちと深い悲しみの気持ちを持たざるを得ません。また、9月議会における当局のご答弁をお聞きし、認識にさらに深い溝ができたと確信しています。
特に、伊東博己総務部長は「総合的に判断し」とのご答弁を繰り返し、具体的問題点を全く答弁されていません。逆説的に言うと、本人だけでなく市民の誰もが納得できない内容の答弁を繰り返したことで、佐賀市が差別的取扱いを行ったことを、後世まで公式な記録が残る本会議の場で認めてしまった答弁といえます。さらには、N氏を採用しなかったことについて、最高責任者である秀島市長の「期待していたので残念である」旨の答弁には激しい怒りを感じます。N氏を再度深く傷付けた発言であることを指摘しておきます。
9月12日の本会へのご回答、9月議会におけるご答弁から判断させていただきますと、N氏の差別的不採用事件並びに今後の貴市の障害者雇用について、前向きなご回答を頂き、改善頂けることが難しいと判断し私たちの貴市に対する抗議の思いを以下の4点にまとめました。この内容を貴市に送ると共に報道関係者に送付し佐賀市の実態を広く市民に伝えることとしました。
最後に、本会は佐賀市が差別的な対応を改め、差別のない障害者採用並びに継続雇用をして頂くようになるまで、貴市の取り組みを見守り続け、必要に応じて行動を起こす決意であることを表明しこの抗議文を提出いたします。
記
1. 今回のN氏への採用試験並びに日々雇用期間における業務内容は明らかに差別であることに強く抗議する。
なお、回答書では差別との認識はないと明言されているが、公開質問状に記した通り、一連の経過のすべてにおいてN氏を差別的に取り扱っていることを申し添える。
2. 佐賀市が1.を認めないことは、人権を尊重すべき地方自治体としては決して許されないことである。さらにその状態を放置し続ける秀島市長の態度に強く抗議するとともに、対応を改めるよう強く要請する。
3. 回答書は、矛盾点が多く、面接内容、日々雇用期間における業務内容が差別的取扱であるとの認識がないなど、ほとんどの点において、国連障害者権利条約の理念を無理解のまま作成されたものであると言わざるを得ない。佐賀市長においては、首長の責任として、国連障害者権利条約の理念の「他の者との平等」という観点に立ち、再考し、再考した結果を記者会見等で市民に周知する責任がある。
4. 上記3点が解決するまでは、佐賀市においては障害者採用試験をすべきではないことを強く主張する。佐賀市にとっても、採用された障害当事者にとっても著しく不幸なことであると確信するからである。
以上
<文書取り扱い>障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク
事務局員 大牟田市議会議員 古庄 和秀
〒836-0041 福岡県大牟田市新栄町17-47
TEL:090-2517-4005 FAX:0944-85-0028
E-Mail:furusho_net@hotmail.com
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