2016年9月12日
川俣町議会
議長 斎藤 博美 様
9月5日の本議会における古川道郎町長に対する合理的配慮の準備不足に関する抗議
障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク
代表 さいたま市議会議員 でんだ ひろみ
私たちは全国の障害当事者議員を中心とし、障害者の政治参加をすすめようとする関係者で組織するネットワーク(以下、本会)である。障害当事者の政治参加をすすめることで障害当事者の暮らしが改善されるように活動している。
9月6日の福島民友ニュースを拝読し、5日の本議会における古川道郎町長に対する合理的配慮の準備不足に強い驚きと憤りを覚えた。古川町長は開会日の1日午前に町中央公民館の階段で体調不良を訴え、福島市の病院に救急搬送されて入院していた。5日の本議会では提案理由を説明する必要があるため、①町長が出席するか、②職務執行代理者が対応するか、③議事日程を変更するかのいずれかの対応が必要であることは明白であり、議会としていずれの対応もしていないことは怠慢である。
9月8日に本会が議会事務局に事実確認しところ、町長部局からの申し入れから開会までの十分な時間がなかったとのこと。町長と町議会は二元代表制であり、本会議は町長からの議案の提案を受け、慎重に質疑、質問し、その結果、採決に臨む町政運営にとって最も重要な場である。その場で真摯に議論するための平等な環境を整備できないことは、議会としての体を成しえていない。本会の会員は、車いすを利用する者、全盲、聴覚障害など様々な障害がある議員がいるが、車いすの者は登壇時にステージを配置する、視察時は介添人の旅費も予算計上する、聴覚障害者は手話通訳や要約筆記を準備する等の必要な配慮を受け、他の議員と平等な活動をしている。
加えて、我が国は一昨年国連障害者権利条約を批准し、この4月より障害者差別解消法が施行された。この法律は、①障害者に対する差別の禁止と、②合理的配慮の提供を求めている。また、①②とも地方公共団体等には法的義務が課せられている。この法律上も今回の対応は不適切と言わざるを得ない。
5日の本会議では午前10時の開会後すぐ休議し、約4時間後の午後2時45分ごろ再開した。その場で、古川町長から謝罪があったようであるが、謝罪すべきは議会である。
以上のように、町政運営、議会運営、障害者差別解消法のいずれの観点からも認められない対応である。障害当事者議員の立場から、満身の怒りを持って強く抗議する。
斎藤博美議長、高橋道弘議会運営委員長はじめ議員各位においては、猛省頂くとともに、今後の議会運営を真摯に熟考いただきたい。
なお、同様の文書を報道機関にも送ることを申し添える。
<文書取扱>障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク
事務局員 大牟田市議会議員 古庄 和秀
(議会運営委員会委員長)
〒836-0041 福岡県大牟田市新栄町17-47
TEL:090-2517-4005 FAX:0944-85-0028
E-Mail:furusho_net@hotmail.com
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