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複数の省庁における障害者職員雇用の水増し算定に対する声明


 私たちは、障害当事者の議員を中心に、障害者の政治参加をすすめる関係者で構成する団体である。

 本会は設立から20年が経過し、現職の議員が約20名、うち肢体障害、視覚障害、聴覚障害など幅広い障害当事者議員10数名で活動している全国的なネットワークの団体である。

 8月17日の各社の報道で標記の件を知った。複数の省庁で40数年間にわたり、手帳不保持者を算定するなど障害者雇用率の水増しを行なってきたことが主要新聞の1面に掲載された。事実とすれば、障害者の存在を根底から否定するかの様な悪質極まりない国家的な不祥事である。その後、複数の都道府県でも同様の不祥事が明らかになった。

 障害者雇用促進法第6条には、国及び地方公共団体の責務として、「障害者の雇用について事業主その他国民一般の理解を高めるとともに、事業主、障害者その他の関係者に対する援助の措置及び障害者の特性に配慮した職業リハビリテーションの措置を講ずる等障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るために必要な施策を、障害者の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつ総合的かつ効果的に推進するように努めなければならない。」と明記してある。また、同法では法定雇用率を達成できない企業のうち、常用労働者100人超の企業から、障害者雇用納付金が徴収される。今回の出来事は、この法律、制度の信頼を根本から崩壊させている可能性があり、さらに、就労中、これから就労しようとしている障害当事者、家族、支援者、仲間たちの夢と希望と期待を裏切るものだ。加えて、2014年に日本政府が批准した国連障害者権利条約の理念にも反する。

 以上のように、障害者職員雇用の水増しは、最高度の責任があるはずの省庁において、そのような可能性が指摘され、調査が行われているということ自体、あってはならないことであり、強く抗議をする。さらに、以下の点を要望する。

1. 今回の水増しが始まった時期、部署、きっかけを徹底的な調査によって明らかにされたい。さらに、他省庁に広がった原因も同様の調査によって明らかにされたい。

2. 今回の調査により確定した未達成率に応じ、企業における障害者雇用納付金以上の予算額で障害者雇用施策を講じられたい。

3. 各省庁内に障害者雇用部門を新設され、所管の事業所との人事交流含め、障害者雇用を全庁挙げて推進されたい。

4. 障害者雇用促進法第6条の国の責務の遂行のため、誠意をもって取り組まれたい。

5. 今回の不祥事は、政府がすすめる共生社会政策と逆行するものである。この不祥事をきっかけとして、インクルーシブ教育をはじめとした共生社会政策をより一層推進されたい。

2018年8月24日

障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク

代表 さいたま市議会議員 でんだ ひろみ

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